eSIMの速度が遅いときはまずデータ残量とFUPを見ます
電波が弱い・アンテナは立つのに遅いときの手順
eSIMで通信できていたのに途中から急に遅くなった、 Googleマップが読み込まれない、動画が止まる—— そんな症状の9割は7つの原因のどれかです。 症状から原因を特定して、最短で速度を回復する手順を解説します。
結論:eSIMの速度が遅いときは、まず ①データ残量、②FUP(1日あたりの高速容量上限)への到達 の2つを確認してください。この2つだけで原因の8割以上が判明します。
⚡ 最初に見る2つ+残り2つ(60秒で9割判明)
- ①eSIMアプリ/プロバイダーサイトでデータ残量を確認——ゼロなら低速制限が自動発動
- ②FUP(1日あたりの高速容量上限)に達していないか確認——「無制限」プランほど要注意
- ③省データモード(iPhone)/ データセーバー(Android)がOFFか確認
- ④機内モードをON → 30秒待つ → OFF——ネットワーク再接続でキャリア切り替え
速度計測アプリ(Fast.com など)で現在速度を確認——1Mbps以下なら①か②が濃厚です。
📌 このページはeSIMの通信速度が遅い・電波が弱い場合の対処ガイドです。
eSIMがそもそも「圏外」「繋がらない」場合は → eSIM接続トラブル完全対処ガイド を、QRコードのエラー文言から解決策を探す場合は → QRコードエラー文言逆引き表 をご覧ください。
速度低下の原因を素早く診断する
まず速度計測(Fast.com、Speedtest.net など)で現在の速度を確認してください。
①電波が弱い(アンテナが立たない)とき
地下鉄・ショッピングモール地下・山間部・離島・厚い壁の建物内は 電波が届きにくいエリアです。 eSIMのネットワーク(キャリア)によってカバーエリアは異なるため、 別のキャリアに手動で切り替えると改善する場合があります。
電波弱いエリアでの対処手順
iPhone:ネットワーク手動選択
- 「設定」→「モバイル通信」を開く
- eSIMのプラン名をタップ
- 「ネットワーク選択」→「自動」をOFFにする
- 表示された通信キャリアリストから電波の強いものを選択
- 接続後、速度が改善しなければ「自動」に戻す
Android:ネットワーク手動選択
- 「設定」→「ネットワークとインターネット」を開く
- 「SIM」→ eSIMプランを選択
- 「優先ネットワーク」→ 「ネットワークの自動選択」をOFF
- 利用可能なキャリアをスキャン → 電波の強いキャリアを選択
ヒント:スキャンで表示される各キャリアに接続して速度計測し、最速のキャリアを選ぶのが効果的です。 現地で利用できるキャリアはeSIMのプランに依存するため、 全てのキャリアに接続できるわけではありません。
②アンテナは立つが遅いとき(1)データ残量ゼロ(速度低下の最多原因・約60%)
容量制限付きeSIM(例:Airalo 10GB、trifa 5GBなど)はデータ残量がゼロになると 自動的に低速モード(128kbps〜512kbps)に移行します。 メッセージ通知は来ないため、気づかずに使い続けてしまうケースが多いです。
こんな症状が出たら残量ゼロを疑う
- 速度計測で200kbps以下になっている
- Googleマップの地図タイルが白いまま読み込まれない
- LINEのメッセージ送受信はできるが画像・動画が届かない
- Webページのテキストは見えるが画像が表示されない
- 旅行3日目以降に急に遅くなった
残量確認・対処手順
- Airalo:アプリ起動 → 「マイeSIM」→ プラン名をタップ → 残量バーを確認
- trifa:アプリ「データ使用量」→ 残量・使用量をリアルタイム表示
- Ubigi:アプリ「私のSIM」→ 残量グラフを確認
- アプリがない場合:購入メールに記載のURLでログインして確認
- Airalo:アプリ → 「トップアップ」→ 追加データを購入(ホテルのWi-Fiで操作)
- trifa:アプリ → 「データを購入」→ 追加プランを選択
- Ubigi:アプリ → 「データを追加」→ 同じ国のプランを購入
- Holafly:追加購入は不可。プランを新たに購入して別eSIMを追加
- 毎日就寝前に残量確認をルーティンにする
- 残量アラート通知をONにする(Airaloは20%・10%・5%で通知設定可能)
- 動画視聴・Instagramへの投稿はホテルのWi-Fi限定にする
- 写真の自動クラウドバックアップをWi-Fi限定に設定する
用途別の目安データ消費量(1時間あたり)
| 用途 | 消費量(目安) | 10GBプランでの使用可能時間 |
|---|---|---|
| YouTube(HD画質) | 約1.5GB / 時間 | 約6.5時間で使い切り |
| Instagramストーリー閲覧・投稿 | 約300MB / 時間 | 約33時間 |
| Googleマップ(ナビ使用) | 約10〜30MB / 時間 | 330時間以上 |
| LINE・WhatsApp(テキスト中心) | 約5〜10MB / 時間 | 1000時間以上 |
| Webブラウジング(一般的なサイト) | 約20〜50MB / 時間 | 約200時間 |
②アンテナは立つが遅いとき(2)省エネモード・バックグラウンド更新の影響
iPhoneの「省データモード」やAndroidの「データセーバー(節約モード)」、 さらに低電力モード中に制限される「バックグラウンド更新」が重なっていると、 フォアグラウンドで使っているアプリの通信まで細く感じることがあります。 eSIMのインストール時に自動でONになる場合があるため、見落としがちです。 以下を上から順に確認してください。
iPhone(iOS):番号順の確認手順
- 「設定」を開く
- 「モバイル通信」をタップ
- eSIMのプラン名(例:「Airalo」「data」など)をタップ
- 「省データモード」の項目を確認——ONになっていたらOFFにする
- (物理SIMも確認する:同画面の物理SIM名→「省データモード」)
- 「設定」→「一般」→「Appのバックグラウンド更新」を開く
- 「オフ」または「Wi-Fi」のみになっている場合は「Wi-Fiとモバイルデータ通信」に変更する
Android:番号順の確認手順
- 「設定」を開く
- 「ネットワークとインターネット」または「接続」をタップ
- 「データ使用量」→「データセーバー」をタップ
- 「今すぐOFFにする」または「データセーバーをOFF」に切り替える
- 「設定」→「アプリ」→ 該当アプリ(地図・SNSなど)→「モバイルデータとWi-Fi」を開く
- 「バックグラウンドデータ」がOFFになっていないか確認し、必要ならONにする
②アンテナは立つが遅いとき(3)ネットワーク混雑(観光地・ラッシュアワー)
人気観光地・ショッピングモール・空港・地下鉄ラッシュ時は現地通信会社のネットワークが 混雑し、eSIM利用者も速度低下の影響を受けます。 特に夕方17〜20時、週末、祝日は混雑のピークになりやすいです。 この場合、設定を変えても改善しないことが多く、時間・場所を変えるのが最善策です。
ネットワーク混雑時の対処
- 場所を少し移動する——人混みから50m離れるだけで繋がりやすくなる場合がある
- 時間帯をずらす——混雑ピークは17〜20時。朝や深夜は比較的空いている
- 使用するキャリアを手動で変更する(次セクション参照)
- 5G → 4G/LTE に下げる——5Gエリアでも混雑時は4Gの方が安定することがある
- 店舗・ホテルのWi-Fiを活用する——通信量の多い作業はWi-Fi環境でまとめて行う
②アンテナは立つが遅いとき(4)ネットワーク方式の問題(4G/5G切り替え)
5Gエリアでも端末が5Gと4Gを頻繁に切り替えることで速度が不安定になる場合があります。 また、一部の国・地域では4GのLTEの方が5G NSA(ノンスタンドアローン)より安定しているケースもあります。
接続方式の切り替え手順
iPhone:通信方式の優先設定
- 「設定」→「モバイル通信」→ eSIMプランをタップ
- 「音声とデータ」をタップ
- 「5G オン」→「LTE」に変更して安定させる
- (5G対応エリアで安定している場合は「5G オン」に戻す)
Android:通信方式の変更
- 「設定」→「ネットワークとインターネット」→「SIM」
- eSIMを選択 → 「優先ネットワークの種類」
- 「5G(推奨)」→「LTE」または「LTE/3G/2G」に変更
②アンテナは立つが遅いとき(5)APN設定のズレ
通常、eSIMのインストール時にAPN(アクセスポイント名)は自動設定されます。 しかし稀に自動設定が正しく行われず、手動でAPNを設定し直す必要があるケースがあります。 特にAndroid端末でeSIMの速度が極端に遅い場合は確認してください。
APN手動設定手順(Android)
- 「設定」→「ネットワークとインターネット」→「SIM」→ eSIMを選択
- 「アクセスポイント名(APN)」をタップ
- 現在の設定を確認し、プロバイダーのAPN設定ページの値と照合
- 異なる場合はプロバイダー指定のAPN値を手動で入力して保存
主要プロバイダーのAPN設定値
| プロバイダー | APN名 | 参照元 |
|---|---|---|
| Airalo | プラン・国により異なる(アプリ内「APN設定」で確認) | Airaloアプリ内 |
| trifa | trifa | trifa公式サポートページ |
| Ubigi | ubigi | Ubigi公式サポートページ |
| Holafly | 基本は自動設定(手動不要) | — |
※ iPhoneはAPN手動設定が基本的にできません。APN設定はAndroid端末向けです。
③最初は速かったが途中から遅くなったとき(FUP)
「無制限プラン」を謳うeSIMの多くはFUP(Fair Use Policy / 公平利用制限)を設定しています。 1日または一定期間に一定量の高速通信を超えると、残りの期間は速度が大幅に制限されます。 「無制限」は「接続日数の上限なし」という意味であり、速度を無制限に保証するわけではありません。
主要プロバイダーのFUP上限一覧(2026年調査)
| プロバイダー | プラン種別 | FUP上限(目安) | 制限後の速度 | 制限リセット |
|---|---|---|---|---|
| Holafly | 無制限(全プラン) | 1日 3〜5GB(国による) | 128kbps〜512kbps | 翌日(現地時間0時) |
| Saily | 無制限プラン | 1日 3GB | 1Mbps | 翌日 |
| Airalo | GB制限あり(無制限プランなし) | —(残量ゼロで低速移行) | 128kbps〜 | トップアップ購入で即回復 |
| trifa | GB制限あり(無制限プランなし) | —(残量ゼロで低速移行) | 〜512kbps | 追加購入で即回復 |
| Ubigi | GB制限あり | —(残量ゼロで低速移行) | 〜256kbps | 追加購入で即回復 |
※ FUP上限は国・プランの改定により変わる場合があります。購入前に各プロバイダーの最新規約を確認してください。
FUP制限中の乗り越え方
- 翌日のリセットを待つ——夜遅くに制限にかかった場合は翌朝まで低速を甘受
- ホテル・カフェのWi-Fiを活用する——動画・地図のオフライン保存はWi-Fiで
- テキスト中心の利用に切り替える——LINE・WhatsAppのテキストは128kbpsでも動く
- Googleマップをオフラインに切り替える——事前にエリアをダウンロードしておくと制限中も地図が使える
- 次回から容量制限付きプランに変更する——FUP回避には1日10GB以上の容量制限プランの方が実質速度が高い場合がある
遅いのではなく、そもそも繋がっていないとき
ここまでは「通信はできているが遅い」場合の対処法です。 速度計測アプリが結果を返さない、圏外表示のまま何も繋がらない、 QRコードのアクティベーション自体が失敗しているという場合は、 速度の問題ではなく接続そのものが確立していない可能性があります。
- 圏外・「データ通信を利用できません」など接続自体ができない場合は → eSIM接続トラブル完全対処ガイド で原因を切り分けてください。
- 海外で急に繋がらなくなった、データローミングの設定に自信がない場合は → データローミングのオン/オフ正解ガイド を確認してください(オフのままだと速度以前に一切通信できません)。
プロバイダー別:FUP・残量確認方法と速度低下対処
Airaloで速度が遅い時
- 残量確認:Airaloアプリ → 「マイeSIM」→ プランをタップ → データ残量バー
- FUP:Airaloに無制限プランはなく、すべてGB制限あり。残量ゼロで低速移行
- 対処:残量が少ない場合はアプリからトップアップ(追加購入)。ホテルWi-Fiで購入を
- 残量アラート:Airaloアプリ設定 → 「データ残量アラート」→ 20%・10%・5%で通知設定可能
Holaflyで速度が遅い時
- FUP確認:Holaflyアプリ(または esim.holafly.com )→ 「マイeSIM」→ 高速通信残量を確認
- 制限内容:1日の高速通信量(3〜5GB)を超えると自動で128kbps程度に低下
- リセット:翌日(現地時間0時または購入から24時間後)に自動リセット
- 対処:制限中は地図オフライン・テキストのみ利用に切り替え。追加購入は不可
Sailyで速度が遅い時
- 残量確認:Sailyアプリ → アクティブプランをタップ → データ残量表示
- FUP:無制限プランは1日3GBが高速上限。超過後は1Mbpsに制限
- 対処:GB制限プランを選ぶか、翌日のリセットを待つ
trifaで速度が遅い時
- 残量確認:trifaアプリ → 「データ使用量」セクションで残量・使用量をリアルタイム確認
- FUP:GB制限あり(無制限なし)。残量ゼロで512kbps以下に移行
- APN:速度が極端に遅い場合はAndroidでAPN「trifa」を手動設定
iPhone / Android 別:速度改善のための設定チェックリスト
iPhone チェックリスト
Android チェックリスト
よくある質問(FAQ)
eSIMの通信速度が急に遅くなった原因は何ですか?
最も多い原因はデータ残量ゼロ(低速モードへの自動移行)です。 次いでFUP(公平利用制限)による速度制限(特に「無制限」プランを使用している場合)、 省データモード・データセーバーの有効化が続きます。 まずeSIMアプリまたはプロバイダーのサイトでデータ残量を確認してください。
アンテナは立っているのにeSIMの通信が遅いのはなぜですか?
アンテナが立っている(圏外ではない)のに遅い場合、電波強度の問題ではなく データ残量ゼロ・FUP制限・省データモード・ネットワーク混雑のいずれかが濃厚です。 まずデータ残量とFUPの到達状況を確認し、次に省データモード・データセーバーがOFFか確認してください。 改善しない場合はネットワーク混雑(観光地・ラッシュアワー)か4G/5Gの切替を試してください。
データ残量が残っているのにeSIMが遅い理由は?
Holaflyなど「無制限」プランはFUP(公平利用制限)を設けており、 1日の高速容量(3〜5GB)を超えると速度が128kbps〜1Mbpsに制限されます。 また省データモード(iPhone)やデータセーバー(Android)がONになっていると バックグラウンド通信が止まって体感速度が下がります。 次に機内モードON→OFFを試してネットワークを再接続してください。
eSIMの速度を上げる設定はありますか?
①省データモード・データセーバーをOFFにする、 ②機内モードON→OFFでネットワーク再接続、 ③ネットワーク手動選択で電波の強いキャリアに変更、 ④4G↔5Gの切り替え(混雑時は4Gの方が安定することがある)、 の順に試してください。
Holaflyの速度が急に遅くなりました。対処法は?
HolaflyはFUP(公平利用制限)として1日3〜5GBの高速容量制限を設けています。 上限を超えると速度が128kbps程度まで低下します。 翌日になると自動でリセットされます。 制限中はホテルWi-Fiを活用し、動画視聴は避けてください。 追加データの購入はできません。
eSIMの電波が弱い場所での対処法は?
①窓際や屋外に移動する(建物の壁・鉄骨が電波を遮断します)、 ②機内モードON→OFFでキャリア再接続、 ③ネットワーク手動選択で別キャリアに切り替える、 ④4G/LTE → 3Gに下げて安定させる(稀に有効)、 の順に試してください。
速度計測で1Mbps以下になっています。何が原因ですか?
1Mbps以下はデータ残量ゼロまたはFUP制限が発動している可能性が高いです。 プロバイダーアプリでデータ残量を確認してください。 残量がある場合は省データモード、ネットワーク混雑、または電波の弱いエリアが原因として考えられます。 機内モードON→OFFとネットワーク手動選択を順に試してください。
症状別シリーズ:他のガイドも確認する
eSIM接続トラブル「症状別シリーズ」は症状ごとに専門ガイドを用意しています:
- ① QRコードエラー・アクティベーション失敗 →
- ② 圏外・繋がらない・データ通信できない →
- ③ 通信速度が遅い・電波が弱い(このページ)